とれとれのイチオシ


ならのおまめちゃん

おまめちゃん

濃度を限界まで高くした豆乳が高温の状態のときに少しだけにがりを加えて凝固させた。
濃度を限界まで高くした豆乳が高温の状態のときに少しだけにがりを加えて凝固させた。

もめん

たんぱく質や糖質を多く含み、食物繊維も豊富。しっかりコシがある。
たんぱく質や糖質を多く含み、食物繊維も豊富。しっかりコシがある。

京うすあげ

低温・高温・中温の油で3度揚げた。少し厚めで大豆の風味がぎっしりつまっている。
低温・高温・中温の油で3度揚げた。少し厚めで大豆の風味がぎっしりつまっている。

大佛さまのらほつ納豆

大粒の大豆のみを厳選して使用。納豆特有の匂いを抑えた「関西風」。
大粒の大豆のみを厳選して使用。納豆特有の匂いを抑えた「関西風」。

山崎佳彦さん(63)

山崎商店 天理市九条町筑紫381-2

TEL : 0743-66-0007 FAX : 0743-66-0603

 

「ならのおまめちゃん」のブランドで知れる山崎佳彦さん(山崎商店(天理市)がとれとれ市場の仲間になった。奈良産大豆にこだわり豆腐を作り続けている。奈良県の大豆の収穫量は決して多くなく、年によっては収穫量にばらつきがある。「奈良産の大豆を豆腐として加工し流通させていくことで徐々に作付け面積も増えると信じている」と話す。

 

 原料に使う大豆は名水として知られる三輪山の麓で収穫されたもの。ほとんどが奈良県の桜井産なのだ。

 

 大学を卒業後、自分の好きな道を諦めて稼業を継いだ。最初の10年は思うような豆腐を作れず何度も挫折しかけ、幾度も泣いたという。カマドで炊くごはんにヒントを得てようやく自信の持てる豆腐ができた頃には42歳になっていた。

 

「大豆」、「水」、「にがり」の3つで豆腐はできるが、最も大事なのは「作る人の人間性だ」と山崎さん。大豆たんぱくの濃度を高め、熱し方などによって、豆腐の味はめまぐるしく変わる。「いい豆腐をつくってやろう」という思いだけではうまくいかない。「豆腐は人間性が表れる」。おいしい豆腐づくりだけを考え続けてきた山崎さんの結論だ。

 

 長い年月をかけて培った豆腐づくりは、無添加ながら消費期限5日を可能とした。豆腐のおいしさの決め手ともなる豆乳のブリックス濃度14を実現した。この濃度が低いと水ぽくなってしまう。

 豆腐を語る時の山崎さんは熱い。何時間でもしゃべり続けそうな勢いだ。ほとばしる情熱。それが山崎さんの豆腐がおいしい最大の理由であろう。 

 

 

 



平飼い自然卵

卵の黄身というのは、文字通り黄色いからそう呼ぶのだろう。それが最近は黄色というより、むしろオレンジ色の黄身が増えてきたような気がする。卵の栄養が濃いような印象になるからだと聞いた。だとすれば鮮やかな黄色を放つ中辻農(たかの)さんの「平飼い自然卵」は、現代の卵に対するアンチテーゼなのかもしれない。

 

脱サラし養鶏の世界に飛び込んだのは5年前、名古屋から奈良に移住してきた。両親も教職員をやめて平飼い養鶏に従事しているという。中辻さんが塚原省一さんの事業を継承する約束で、養鶏の世界に入ったのも自然の成り行きだったのかもしれない。

 

黄色い黄身という呼び名も少しおかしな気がするが、オレンジに近い黄身と分けるため、ここでは黄色い黄身と呼ぶことにする。その黄色い黄身は、国産大豆、国産米の餌によるところが大きい。不足するたんぱく質は、魚粉(防腐剤無添加)、カツオ節として、緑餌も与えている。

 

近所の店で中辻さんの卵を食する機会を得た。卵を割ると、鮮やかな黄色の黄身が現れた。新しさと鮮やかさ、透明な卵白とが渾然一体となり、なめらかな光沢を放つ。卵に詳しくなくても、上等な卵だと察しがつく。店主にお願いして、ごはんの上に卵かけていただいた。食味はあっさり、さっぱりとした感じである。それでいて卵本来の味はしっかりある。思わず「うまい」とつぶやいた。

 

現代の卵は黄身がオレンジに近いのだが、黄色い黄身だと売れにくいのではと考えてしまう。「輸入とうもろこしを餌に使ったりすれば黄身もオレンジ色になりますが、私は国産の餌を使い平飼い養鶏を確立したいという強い思いがありました」という。

 

中辻さんの卵はあっさり、さっぱり。加えて卵特有の臭いもしない。だからケーキ屋さんでも人気という。また、オムレツにすればホワイトオムレツの出来上がりである。中辻さんの卵は、卵のレシピに新たな可能性を広げた。「平飼い自然卵」の黄身や白身から放たれる光は、本物だからこそ滲み出る輝きなのだろう。